導入事例

「スクラップ&ビルド」から「維持・管理」へ、将来の危険をレーザースキャナーで調査

「スクラップ&ビルド」から「維持・管理」へ、将来の危険をレーザースキャナーで調査

日本中が好景気に沸いた1964年の東京オリンピック。新幹線をはじめ現在の日本の基礎となるインフラが整備されたのはこの頃です。それから約50年。コンクリートを中心とした構造物の中には、寿命が尽きて取り壊され、新たに建造されたものが多くあります。ほんの数年前までは、建設業界はこのような「スクラップ&ビルド」の時代でした。 今、時代は変わりつつあります。古くなったものを取り壊す、もしくは壊れた後で修理をする、という時代から、壊れる前に構造物の保守・補強・補修を行いながら長く使用する「予防保全」の時代へと変化しています。

スキャナーでの歩道橋のデジタル化

FARO Laser Scanner Focus3Dで歩道橋の様子をスキャン
 

■ 導入の経緯

東京都豊島区巣鴨の一角にあるアイセイ株式会社(以下、アイセイ)は、構造物点検のプロとして、橋梁やトンネルを中心に、構造物の点検、調査診断を行っています。この業務は一見地味ですが、将来の危険を見逃さないためには欠かせない業務です。構造物は経年的、環境的、外力等の要因により、遅かれ早かれ劣化していきます。

時代を経た橋梁には設計図のないものも多くありますが、耐震工事などをする際には、正確な寸法などを記した設計図が必要になります。アイセイでは、以前は巻尺などを使用して実際の寸法を測り、2次元の設計図にしていました。しかし、もともと橋というものは空間に架けられたものですから、計測をする際には、時には危険が伴います。また、人が入れない、手が届かない、といった問題もありました。

そこでアイセイでは、2009年のメンテナンス・テクノショーで目にしたFAROの3Dレーザースキャナーを導入することにしました。レーザースキャナーは構造物の情報を高速に点群で取り込みます。寸法もすべてデータ上で確認でき、巻尺での計測にとって代わるツールとして使用できるだけでなく、構造物を3次元で表現することができます。代表取締役の岩佐氏は「業界を問わず、将来的に3次元データを使用したやりとりは標準的になると考えて導入しました。そして、今実施している業務の付加価値として、安全管理や品質管理において、目に見えてアピールできるのではないかと考えたのです」と導入の理由を述べています。
 

■ 活用方法

スキャンデータ

アイセイでは、主に以下の目的でレーザースキャナーを使用しています。

・図面がない構造物の復元
・堆積や形状変化の計測
・構造物の干渉シミュレーション

スキャンデータ

上の3Dデータは、歩道橋をスキャンして結合したものです。図面のない歩道橋に耐震工事を施すことになったため、その設計図を作成するためにレーザースキャナーでスキャンしました。入り組んだ形状の歩道橋のため、手で計測するには危険や困難が伴いますが、レーザースキャナーを使うことにより、離れた場所からデータを取得可能です。この後、スキャンしたデータから図面化し、維持・管理に使用します。

(下の図は復元した2次元の図面)

スキャンデータ トンネル

また、線路脇の盛り土の量を測るという計測も可能です。これは、トンネルを維持するために、どのような力がどれくらい加わっているかを見るためです。トンネルではよく断面形状の変化について問われます。これはトンネル断面が正常であれば背面地山が安定していると想定できますし、逆に断面が変形しているようであれば、トンネルの背面に何かが起きているのではと考えることができます。この現象をレーザースキャナーにより正確に測定できることは、すなわち危険予知につながるのです。(下は、周辺地形を含めたトンネルの点群データ)
 

■ 導入の効果

1. 安全性の確保:高所、交通量の多い場所でも離れて計測が可能になり、安全性が向上。さらに現場での作業時間も短縮

2. 測定時の作業人員の削減:少人数で測定可能なため、他の仕事に人員を配置可能

3. アピールポイントが増えたことによる既存業務の受注増加
 

■ 今後の課題

手で測る計測に比べて大量のデータが取得できることで、今後はそのデータをどう活用していくかが、アイセイが直面している課題です。また、建設業はかつて3Kと呼ばれ、現場での作業はなかなか若い人には続かないという問題もありますが、作業の中に3Dのデータ処理やコンピューター業務などが加われば、興味を持ってもらいやすいため、業界の活性化につながると期待されています。

岩佐社長は「今後は、3DモデリングやCIMが進んでいくと思います。今までは『スキャナーは高い』という印象が強かったですが、FAROのように価格もだいぶ下がってきています。いずれレーザースキャナーが業界標準になるのではないでしょうか。そして保全業務が幅広い方に認識されることで業務の必要性が高まり、サービス業の保全業務として業種の確立をしていきたい」と締めくくりました。
 

■ アイセイ株式会社について

アイセイでは橋梁やトンネルをメインとした構造物の点検・調査・計測を行っています。「古きよきものであるからこそ、新しく改築するのではなく最新の技術によって延命させること」に誇りを持ち、構造物点検のプロとして、今後さらに広がる社会的ニーズに応えていきます。

〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-6-6
TEL: 03-3944-1072 / FAX: 03-3944-8287
URL: http://www.eyesay.co.jp

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