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導入事例

3Dレーザースキャナーで新築・改修工事の生産性を向上
竹中工務店の点群データ活用事例

3Dレーザースキャナーで新築・改修工事の生産性を向上<br />竹中工務店の点群データ活用事例

株式会社竹中工務店(本社、大阪市中央区)は、1953年に東京・大阪に技術研究所として研究室を設立しました。その後、技術研究所は1993年に現所在地である千葉県印西市へ移転し、建築に関する独自の新技術、新工法の開発を行っています。竹中技術研究所では、FAROの3Dレーザースキャナー「Focus3D」を2011年に実験機器として導入し、作業所と一緒になって各種工事の課題解決に役立てています。たとえば、ビルの新築工事では、既存基礎の一部を再利用する際に、3D計測して解体やコンクリート打設量を最小化しました。またビルの改修工事では、熱源設備交換の搬出入路を、点群データと設備機器モデルの動的干渉チェックによってシミュレーションしたほか、既存躯体の計測効率を一般的な手計測の工数と比較して、3~4倍に上げました。
 

3Dスキャンで施工を最小化

「3Dレーザースキャナーを使ったところ、既存躯体の解体とコンクリート打設がそれぞれ5m³削減できました」と、技術研究所 先端技術研究部 デジタル生産グループ 研究主任の染谷俊介氏は開口一番に述べています。

「最近の新築ビルは前に建っていた旧ビルの地下室外周部を山留として一部再利用し、その上から新しいコンクリートを打設して、新しいビルの躯体を構築する工法がよく使われます。Focus3Dで旧ビルの地下室を計測したところ、躯体の位置が既存図面と200mm以上違っている部分などがあることがわかりました。設計図を実際の躯体形状に合わせて調整し、解体範囲を合理化した結果、不要な解体やコンクリート打設を大幅に減らせたのです」。

FARO Focus 3Dで既存建物を計測した点群データ。

FARO Focus3Dで既存建物を計測した点群データ。約1000m²を1日で計測。

竹中工務店では、技術研究所が2011年に地上型の3Dレーザースキャナー「FARO Focus3D S120」、東京本店が2017年にはハンディー式の「FARO Freestyle3D」を導入するなど、他社の機器も含めて3D計測機器を複数保有しています。

「Focus3D はビル改修工事の既存構造図の作成や、施工精度の確認、設計と実際の施工を比較する“予実管理”に、研究開発の一環として試適用しています。Freestyle3Dは、設備機器単体の込み入った部分の計測や、老舗デパートなど歴史的建造物の装飾部分の計測に活躍しています」と染谷氏は機器の試適用状況について述べています。
 

3Dモデル作成を自動化し、151時間を数時間へ時間短縮

3Dレーザースキャナーによる点群計測は、配管やダクト、機器類などが複雑に配置された設備の改修工事に大きな力を発揮します。その一例は、竹中工務店が施工した延べ床面積約13万m²の複合施設の熱源改修工事です。

配管やダクト、機器類が密集する機械室

配管やダクト、機器類が密集する機械室

既存設備の一部撤去と新しい設備を設置する工事の計画には、設備BIMソフトを使いました。既存設備や新しい設備の搬出入ルートを検討する場合、現場の3Dモデルが必要となるためです。しかし、既存図面が実際の設備と一致していなかったため、Focus3Dによる計測を行いました。
 

複数地点で計測した点群データを合成したもの。

複数地点で計測した点群データを合成したもの。

3Dレーザースキャナーを使ったワークフローは、(1)現場のスキャン→(2)点群データの合成→(3)メッシュ・サーフェス化→(4)BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデル化→(5)図面化や数値化、という流れが一般的です。「当社が力を入れているのは、(3)以降の点群データ処理の部分です。ここの技術力やノウハウがあるかどうかで、施工の生産性は大きく左右されます」と、染谷氏は述べています。

3Dレーザースキャナーで取得した点群データはそのままでは重すぎて、設備BIMソフトでは扱えないため、一度点群を軽量な「サーフェスモデル」および「パイプの中心線分」に変換した上で、設備BIMソフト上ではそれらをトレースし、最終的には属性付きのBIMモデルを入力する必要があります。これまでは手作業で点群を立体的にトレースしてサーフェスモデルを作っていたので、数百時間かかることもありました。サーフェスモデルとパイプの中心線分があれば、BIMモデル入力はサーフェスモデル作成ほどの工数はかかりません。つまり、点群をサーフェスモデル化する作業が、ボトルネックになっていたのです。

点群を手作業で立体的にトレースする作業。

完成したBIMモデル。

(上)点群を手作業で立体的にトレースする作業。
(下)完成したBIMモデル。

「そこで、Focus3DやFAROの点群処理ソフト『SCENE』と連携するエリジオンの『InfiPoints』というソフトを使って、点群からサーフェスモデルを作成する作業を自動化しました。その結果、オペレータが入力する場合、本工事では151時間要するサーフェスモデル化の作業を、数時間まで削減できたのです。後作業であるBIMモデルの入力や、それを使った干渉チェック等の計画業務は、技術者のスキルやノウハウが必要なため自動化ができません。サーフェスモデル作成のような単純作業を自動化できたおかげで、これらコア業務により多くの時間を割くことができました。」と染谷氏は驚くほどの効果が得られたことを強調します。

手作業で作られたサーフェスモデルに比べると、見えにくい部分が省略されている感じもします。しかしサーフェスモデルはあくまでトレース用途なので、多くの場合、実用上は自動作成されたサーフェスモデルで特に問題はありません。

「躯体の平均的な寿命を約60年とすると、設備の寿命は約15年ほどと言われています。建物のライフサイクルの間に、こうした設備の大規模改修工事は2~3回行われる計算になります。工数削減による施工の生産性向上は、当社にとって大変重要な課題なのです」(染谷氏)。

点群データ

InfiPointsによって自動作成されたサーフェスモデル

点群データ(上)と、InfiPointsによって自動作成されたサーフェスモデル(下)
 

「点群計測すると安心感が違う」

竹中工務店ではこのほか、「スケルトンインフィル」による建物の改修工事でも、Focus3Dを活用しています。その用途は、内装部分を解体した躯体を点群計測し、既存構造図を作成することです。この既存構造図をもとにして新設する意匠、構造、設備の設計図を作成するだけに、小さな見落としは禁物です。

「躯体の位置が竣工図と違ったり、配管やダクトを通すスリーブの位置、大きさが竣工図に書かれていなかったりすることもよくあります。そんなときは、点群データや点群から自動作成したサーフェスモデルをもとに、既存躯体やスリーブの位置を確認します」と染谷氏は説明しています。

点群データからInfiPointsで自動作成したサーフェスモデル。

点群データからInfiPointsで自動作成したサーフェスモデル。
 

サーフェスモデルを使ってスリーブの位置や大きさ、貫通の有無を確認する。

サーフェスモデルを使ってスリーブの位置や大きさ、貫通の有無を確認する。

「この現場を計測する場合、これまでなら3~4人がかりで約1カ月はかかっていたでしょう。それがFocus3Dなら、現地での計測作業を2人で約2週間で終えることができました」(染谷氏)。

現場計測作業に要した工数は、一般的な手計測で90~120人工かかった作業が、約30人工に減ったことになり、労働生産性でみると3~4倍に向上したと言えます。

「なによりも安心なのは、Focus3Dを使うと、竣工後は見えなくなってしまう隠蔽部も含めて、現場の状況をもれなく点群データとして記録できる点です。さらに、手計測の場合に必要となる現地での再計測や追加計測を防げるだけでなく、高所作業もなくなります。2~3年後には、現場での3Dレーザースキャナー活用は、ごく普通になると思いますね」と、染谷氏はFocus3Dをこれまで使ってきた手応えを感じています。

 

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