ライアン・E・デイ｜寄稿編集者/コンテンツマーケティングコーディネーター｜2017年11月12日にQuality Digestに掲載
顧客のニーズを満たすためにFARO® 8-Axis ScanArmを使用するDiverse Dimensionsの取り組み
2010年の国勢調査の時点で、米国には2,790万の中小企業が登録されています。そこには激しい競争があります。このような競争の激しい環境で繁栄し成長するためには、経営者は賢明な決定を下し、高品質の結果を約束し、顧客と従業員を大切にする必要があります。そうした組織は有機的な成長をすることができます。永続的な停滞に陥いることはありません。
Saturn car corporationの製造エンジニアとして10年間勤務した後、ジェフ・マス氏はミシガン州西部のオフィス家具メーカーに勤務しました。そして、他の多くの起業家と同様に、マス氏は独立することを決め、フルサービスの寸法測定およびリバースエンジニアリング研究所であるDiverse Dimensionsを設立しました。こうして小さな会社の社旗が立てられることになりました。
「2003年は、私が正式に開業し、寸法検査サービスのために看板を出した時です」とDiverse Dimensions社の社長であるジェフ・マス氏は述懐します。「私は一人で起業して、引退するまでそうだろうと思っていました。しかし、会社は有機的に急速な成長を遂げました。今では9人の仲間がいます」
製造エンジニアリングと品質の学位を持っていたマス氏は、働いていた会社以外で測定サービスに対するニーズが満たされていないことに気づいていました。
「もともと、主な業務は冶具測定でした」とマス氏は説明します。「しかし、私のバックグラウンドが製造エンジニアリングだったので、製品データと製造工程を簡単に関連付けることができました。寸法分析に関しては、製品に表示されていた数値を理解することができました」
「数字でレポートを配るだけのサービスプロバイダーになりたくありませんでした。もう少しデータを理解して、寸法の問題がある場合には根本的な原因を見つけたいと思っていました」
また、メトロジー機器を選択することは、成功するための最高のチャンスをもたらすサービスのレベルを確保する上で重要であると感じました。ポータビリティ、使いやすさ、測定精度、そしてマス氏が最高であると評価するサービスサポートチームに基づいて、FAROを選択しました。
図1. Diverse Dimensionsが8-Axis用の独自の固定具を作成
ポータビリティ
Diverse Dimensionsチームは、現場および自社の施設で顧客へのサービス提供にほぼ同等の時間を費やしています。機器のポータビリティは重要な考慮事項です。
「ビジネスを始めるときに、従来のCMMサービス業務は行わないと決めていました」とマス氏は明かします。「ここと西ミシガンにはそのサービスを提供する会社が数社あり、かなり優秀でした。しかしポータビリティを提供している会社は見当りませんでした」
マス氏が見るところ、レーザースキャニングやポータブルCMMとは対照的に、従来のCMMサービスを提供する企業は、お客様の場所に機器を移動することができませんでした。
「現在、16台のFARO ScanArm、6台のFAROBlu HD Laser Line Probe（LLP）、1台のFARO Laser Tracker、2台のFARO 8-Axisユニット、そして9人の技術者が測定を担当しています」とマス氏は語ります。「お客様の中には、当社に出荷するには大きすぎる冶具を使用している場合もあるため、ほとんどいつも、現場に出張しています」
使いやすさ
「QuantumSは、[当社の他のスキャンアームよりも]ずっと軽く感じます」と、Diverse Dimensionsの計量専門家アンドリュー・ハバーディンク氏は言います。「かなりバランスが良く、プローブの測定精度も向上しています」
優れた人間工学とデュアルホットスワップバッテリーを備えたQuantumSは、最も厳格なISO 10360-12 国際測定品質基準を満たす最初のアームです。ハードプローブとFAROBlu Laser Line Probeは、どちらかのコンポーネントを取り外さなくても交換可能なようにデジタル化できます。ユーザーはアームのハードプローブを使ってシンプルな特徴をデジタル化でき、コントラスト、反射性やパーツの複雑性にかかわらず、特別な塗装やターゲット配置せずに、様々な表面をシームレスにスキャンできます。
8-Axis
FARO 8-Axis Quantum FaroArm®は、8軸を備えたポータブルQuantum FaroArmとシームレスに統合され、アームに対してパーツをリアルタイムに回転させることができます。その結果、対象物の周りに到達することは困難ではありません。言い換えれば、ヨガや体操などの自由な動きをスキャンして、その過程でアームを異なる場所に移動させる必要はないということです。これにより、ユーザーは、測定が困難な角度に到達したときでも、測定処理ではなく実際の測定に集中できます。つまり、スキャンが高速になり、作業が減り、ユーザーの疲労が軽減されます。
「特定の作業は極めて反復的です。それは疲労につながります」とハバーディンク氏は言います。「腕と背中は一日中スキャニングすると痛み始めます。8-Axisを使用した測定では、一日中テーブルの周りを走りまわる必要がありません。測定は迅速で簡単です」
「使い慣れてしまうと、8-Axisがどれくらいクールなのか気づかないことさえあります。でも、8軸でのスキャニングにすっかり慣れてしまったので、初期のデモモデルを返した時には、『スキャンが大変だ！』と感じました」
アンドリュー・ハバーディンク
Diverse Dimensionsの計量専門家であるハバーディンク氏とアモス・デンベステン氏は、8-Axisユニットを非常に反復的な短期間の仕事でテストしました。
「繰り返し作業の典型的な例は、ちょうど先週持ち込まれた小さな板金パーツでした」とデンベステン氏は言います。「アンドリューと私は両方とも8-Axisを設定し、スキャンしました。私たちはそれぞれ8-Axisを使って、25個のパーツをスキャンしました。8-Axisの上にマグネットマウントを使用し、いくつかの異なる角度で回転させ、部品全体をスキャンしました。そして、これらも高品質のスキャンでした」
「8-Axisでは固定もはるかに簡単です」とハバーディンク氏は説明します。「パーツがあるテーブルからあらゆる側面に接するように配置する必要はありません。もっと簡単に固定し、8-Axisを回転してパーツの他の部分にアクセスさせることができます。セットアップだけで多くの時間を節約できました」
「当初、私は8-Axisを見て、『あまり役に立ちそうにない』と思いました。使い始めてみると、『これはいいね！』となりました」
アモス・デンベステン
精度
Diverse Dimensionsの技術者たちは、適切に使用すれば、8-Axisシステムが測定精度を向上できることを発見しました。
「ScanArmsは本質的に短い方が正確です」とデンベステン氏は説明します。「8-Axisでは、長いアームを使用してパーツ上に到達して別の場所をスキャンする代わりに、短いアームを使用してパーツを回転させることもできます。アームにはそれほど多くの関節を設ける必要はなく、関節が少ないほど測定精度が向上します。動きが多くなるということは、特に細かい部分でスキャンのズレが発生しやすくなるということです。8-Axisを採用したことで、位置ずれが少なくなったことに気づきました。時間の短縮、使いやすさ、測定精度の組み合わせだと思います。これらを組み合わせることで、8-Axisは非常に価値のあるツールになります」
アフターセールスサポート
機器にかかる初期費用は投資の一部に過ぎません。マス氏は、アフターサービスの質が組織にとって非常に重要であることを発見しました。
「当社の従業員マニュアルには、FAROとの関係を混乱させれば、すぐに契約終了と書かれています」とマス氏は言います。「FAROの機器を販売し、サービスする人のために、私は全責任をとります。アカウントマネージャーがFAROアームを届けに来た日のことをまだ覚えています。彼は私たちの家でステーキディナーを食べました。私の二人の娘は私がビジネスを始めたことは知っていましたが、4歳と6歳だったので、それが何を意味するのかさえ分かりませんでした。でも、娘たちはアカウントマネージャーがFaroArmを配送した時、ステーキを食べたことを覚えています。それは私にとってもとても大きな出来事でした」
成長のためのポジショニング
マス氏はまた、自社を現場の専門家として位置づけるのにFARO製品が役立つことに気づきました。
「私たちは、FAROとPolyworks®が提供する最も最先端の製品を持っていることで有名になるといいなと思っています」とマス氏は認めています。「私たちはこうした製品と一緒に有名になりたいのです。そのため、お客様がパーツを持って当社の施設に現れたり、測定セッションのためにキャンパス内に現れたりしても、直面するどんな寸法の問題にも対応できると確信しています」
図4. Diverse Dimensionsのスキャニングラボ
Diverse Dimensionsが8-Axis Quantumを選んだ4つの理由
- 優れた人間工学により、可能な限り簡単なワークフローを実現し、アームの動きを最小限に抑え、ユーザーの労力を軽減。測定処理ではなく、測定に集中できる能力の高さ。
- パーツやアセンブリの測定にかかる時間を最大40％短縮。
- より大きなパーツとアセンブリをスキャンできる。より大きな作業容積に対して、使用するのはより小さなアーム。
- 高精度：アームの動きが最小限に抑えられるため、7軸スキャニングと同じ測定精度。大型パーツを短いアームでスキャンできるため、測定精度はさらに向上します。