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FAROが3Dレーザースキャンに8軸目を追加

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Michael Alba|サブジェクトリーダー|Engineering.com|2019年1月24日


FARO® 8-Axis FaroArm®とScanArmは、回転ステージと組み合わせることで、より迅速かつ容易なスキャンを実現します

これまで、3Dスキャニングは7つの自由度に制限されていました。これは、上記のように、スキャナーやプローブに取り付ける関節式測定アームの運動の自由度を示します。FAROの最新製品である8-Axis Design ScanArmにより、3Dスキャンの自由度が8になりました。しかし、同社は、セットアップに8番目の軸を追加することにあたって標準のアーム設計は変更していません。8軸目は、関節アームの軸から物理的に切り離されていますが、ケーブルを介してシステムに統合されている回転ステージです。

ユーザーは、スキャンしたい対象物をステージ上に配置し、回転させて対象物の全測定範囲を取得します。
アームからの物理的分離にもかかわらず、回転ステージは他のパーツと同様にシステムと統合されています。アームのジョイントと同じメカニカルエンコーダとカートリッジを使用し、アームの基盤にケーブルで接続されています。

「8軸でも測定精度損失はありません... [それは] アームの他の部分と非常に似た、または同等の性能を持っています。そもそも、アームの隣に配置できる関節のリモートポイントがあります。パーツをその上に配置し、回転させて位置決めできますが、スキャンニングでデータを取得する必要があります。
Orlando Perez、チーフプラットフォームオーナー、FARO Technologies
8-Axis Design ScanArm

ステージが回転するので

8軸回転ステージの最も明白な利点の1つは、3Dスキャナーに提供される自由度です。7軸から8軸に転換することは大きな飛躍とは思えないかもしれませんが、本機のユーザーはスキャニング処理を驚くほど簡素化できることを理解するでしょう。

「8番目の軸は回転エンコーダステージです。基盤の後ろのアームと同期されています。このエンコーダを回転させると、どこでロックされているかを実際に記録してくれます。だから、部品の周りに手を伸ばしたり、テーブルの周りを歩いたりする必要がなく、エンコーダを動かすだけで、すべてが同期されます」
Chad Crisostomo、 プラットフォームオーナー、FARO Technologies

ターゲット対象物を回転させるオプションを使用すると、FARO 8-Axisアームのユーザーは、対象物のすべての側面をスキャンするために、何度も配置を変更する必要はありません。これにより、ユーザーの利便性が向上するだけでなく、対象物を適切にスキャンするために必要なスペースが少なくなるため、本機の設置場所に関する柔軟性が向上します。
回転ステージを使用する前には、迅速なキャリブレーションが必要です。これは、FaroArmの端にあるプローブでステージのリムを2回トレースする必要があります。これにより、本機はプラットフォームの中心軸を確認できます。その後、回転ステージのエンコーダが残りの処理を行います。

「実際には底部にエンコーダがあります」とCrisostomo氏は説明しました。「このエンコーダは、FAROで製造しているものと同じで、テーブルを同期するのに使用されます。私が軸の中心位置を見つけたとき、システムはすでにエンコーダの動きに基づいて、アームとステージがどのように相互作用するかを把握しています」
キャリブレーションが完了したら、スキャンを開始できます。ユーザーは、アームの端にあるレーザーラインプローブをつかむことから始めます。FAROは先日、同社初の高解像度カラースキャナーである、FARO PRIZM™ Laser Line Probeを発表しました。PRIZMを使用すると、ユーザーは対象物の形状と色の両方の詳細を取得することができ、別な記事で説明するいくつかの追加の利点が得られます。

レーザーラインプローブを手にして、ユーザーは、レーザーで徹底的にそれを「ペイント」することによって、従来の方法で対象物をスキャンします。違いは、対象物が8軸回転プレートに載っていることです。片方の手でレーザーラインプローブを、もう片方の手で回転ステージを動かすことで、対象物を360度回転させて、足を動かして移動することなく完全に対象物をペイントすることができます。ユーザーは、8-Axisアーム(または他の互換性のある点群ソフトウェア)にバンドルされている3Dシステムのスキャン用ソフトウェアであるGeomagic Design Xで、その進捗状況を確認できます。ユーザーがステージを回転させるたびに、Design Xでも同様に点群が回転します。「スピード、測定精度、使いやすさが自慢です」とCrisostomo氏はこのプロセスについて語っています。

8-Axisシステム

8-Axisシステムは、FAROオリジナルの座標測定器(CMM)であるFaroArmと、非接触測定用のレーザーラインプローブを搭載したFaroArmであるScanArmの両方で利用できます。レーザーラインプローブは、毎秒300ラインのリフレッシュレートで1ライン当たり2,000ポイントを返し、毎秒60,000ポイント(カラーをオンにすると240,000)という驚異的な結果が得られます。すべての処理はオンボードで行われます。つまり、ユーザーは限られたコンピューティングリソースによる制限を受けません。

「ポイントとカラー情報の処理はすべてオンボードで行われます。だから、コンピューター機器に非常に依存している他のデバイスとは異なり、コンピュータ機器による制限を受けません」
Ken Steffey、製品管理担当ディレクター、FARO Technologies

使用するシステムにかかわらず、8番目の軸は3Dスキャニングの実施を容易にします。大型、かさばる、または重い対象物を回転ステージに配置し、必要に応じて回転させることができます。ユーザーは、対象物のすべての面に簡単にアクセスできるだけでなく、ステージから延びている対象物の下側にもアクセスできます。このようなプロセスにより、複数のスキャンや対象物の絶え間ない再配置が不要になります。
車のドアやエンジンブロックのようなかさばる対象物をスキャンする自動車アフターマーケットのような業界にとって大きなメリットです。

「対象物の取り扱いは、実際にはデジタル化処理の最も重要な部分です。Neil Armstrong の手袋などは、対象物の取り扱いを誤った例の1つです。貴重な対象物に何かが起きたら、それは悲劇です。したがって、対象物の取り扱いを最小限に抑えるスキャニングソリューションは有益です」
Vincent Rossi、シニア3Dプログラムオフィサー、FARO Technologies

より迅速かつ手間のかからないスキャンを提供するだけでなく、スキャンした対象物の再配置にかかる時間を最小限に抑えることは非常に重要です。例えば、スミソニアン研究所のデジタル化プログラム事務局は、多くの古く歴史的な対象物を後世のためにスキャンしています。この種の仕事では、対象物を慎重に扱うことが第一の優先事項です。
最後に、8-Axisシステムは、すべての業界で評価される利点を提供します。それは省スペースです。対象物を片側から完全にスキャンする機能により、FaroArmまたはScanArmの配置場所に関する制約が軽減されます。より迅速かつ簡単なスキャン機能と組み合わせることで、FARO 8-Axisシステムは最終的にユーザーに新たな機軸の利便性を提供します。

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