導入事例

レーザートラッカーによる「ものづくりと品質保証の一体化」 コマツ茨城工場、1年半で投資回収を見込む

レーザートラッカーによる「ものづくりと品質保証の一体化」 コマツ茨城工場、1年半で投資回収を見込む

常陸那珂有料道路を下りて海岸に向かって進んでいくと、国営ひたち海浜公園の向こうに「コマツ茨城工場」が見えてきます。全国に12か所あるコマツの工場の中で、この茨城工場では主に、大型のダンプトラック・ホイールローダなどの開発・生産を行っています。近年、特に新興国でインフラ整備や資源開発が進み、建機の需要が伸びていることもあり、茨城工場の組立ラインには、ロシアやインドネシアなどの国々へ輸出される製品が国内向けの建機とともに並んでいます。コマツグループでは、最新技術や設備の導入を通して、開発・生産からアフターサービスまで徹底した品質管理を実現し、国内外へ製品を届けています。

コマツ茨城工場

FARO Laser Tracker Vantageでの大型部品の測定
 

■ 課題

コマツ茨城工場では、以下のような課題を抱えていました。

1. ひとつひとつの部品が大きく、測定や測定の為の移動に多くの工数を要する
2. 定規、下げ振りなどでの測定はヒューマンエラーの可能性がある
3. やり直し作業に伴う時間とコスト

茨城工場では、取り扱っているのが大型建機のため、フレームだけで高さは2mを超えることもあります。検査をする際は部品を定盤へ移動させ設置し、レイアウトマシンを使用していました。その測定には1日半かかっていました。しかし小部品の取り付け穴位置などは数が多く、すべてを測定するには時間がかかりすぎるため、レイアウトマシンだけでの検査は難しいのが現実でした。

また協力企業から納入される部品に不具合が確認された際の、コストと時間も問題でした。大型部品の返却には費用もかさみ、返却→修正→再納入という流れに時間を取られて納期が遅れるという事態も発生していたのです。
 

■ 解決

コマツ茨城工場の品質保証部、検査課の二瓶氏は、すでにコマツの他工場で導入されていたFAROのレーザートラッカーの導入を検討しました。コマツ茨城工場にとって導入のメリットは、以下のようなものがありました。
1. 検査場以外で測定が可能
2. 大型部品を高精度に測定
3. 出張先で高精度な品質管理を実現

FARO Laser Tracker Vantage(ファローレーザートラッカー・ヴァンテージ)はどこにでも持ち運べるため、製品や部品が置いてある溶接工場、組立工場、時には屋外まで持って行って測定ができます。二瓶氏によれば「定盤が他の部品の検査で使用中でも、他の場所ですぐに測定ができます。部品を動かす際の危険も少なく、屋外で測定していて急に雨が降っても(防水機能があるため)機器に影響がないのは助かります。」

コマツ茨城工場

穴位置などもターゲットを接触させるだけで測定

また、今まではレイアウトマシンを使用し1日半かかっていたフレームの測定が、FARO Vantageを使用することで測定時間が1日に短縮、さらには今まで数が多すぎて測定が困難だった小部品の取り付け穴位置をすべて測定することが可能になりました。

中でもコマツ茨城工場にとってメリットが大きいのは、レーザートラッカーを協力企業に持って行って測定ができることです。まず、出張先で測定しレポートを出力すれば、どこにどのような不具合があるのかが製作現場ですぐにわかります。そしてその場で最終判定をすることにより、茨城工場での受入検査を経ずに直接組立ラインへの供給が可能です。部品検査センタ長である小堀氏は「協力企業へ出向いてFAROのレーザートラッカーで測定すれば、『製造から品質保証まで一貫して』管理することができ、品質向上が可能になります」と述べています。
 

■ 投資効果

1. 時間短縮
(a) 協力企業側で測定することで、早い段階での不具合発生を低減し、無駄な工数を削減
(b) 測定時間の短縮、さらに穴位置など測れなかった部分が測れるように
(c) 大型部品、建機を定盤まで移動する時間の削減

2. 費用削減
(a) やり直し作業の発生による運搬費などの削減
(b) 検査工程改善によるコストの削減

3. 品質の向上
(a) 測定結果をレポートとして保存、協力企業に提供可能
(b) 従来の測定機器使用によるヒューマンエラーを削減
(c) 協力企業が安定した製品品質を自主的に作り込む体制が強化

4. その他
(a) 安全性の向上:大型建機/大型部品の検査場搬入に伴う危険性の軽減
(b) 屋外で使用可能:急な雨でも防水機能により機器の故障リスクを軽減

二瓶氏によれば、驚くことにFAROの3次元測定器に投資した金額は、計算上では1年半を待たずに回収可能とのことでした。

コマツでは毎年、協力企業や海外工場の社員も参加する、グローバル、グループワイドな技能競技大会を開催しています。

各部門に分かれ、日頃の業務、研鑽で培った技能を競い、技術の向上、人材育成、技能伝承に努め、品質向上を実現しています。このようなさまざまな活動を通じて全世界すべての拠点で統一された品質レベルの実現を目指しています。
 

■ コマツ 茨城工場について

全世界を拠点にグローバルな事業展開を進めるコマツの、国内生産拠点の一つとして2007年1月より、茨城県ひたちなか市にて稼動を開始しました。

現在では、大型のダンプトラック・ホイールローダなどのマザー工場として、開発・生産をすると共に、世界のチャイルド工場の技術や生産のサポート役を担っています。

コマツ茨城工場
 

コマツ 茨城工場 概要

住所:〒312-0004
茨城県ひたちなか市長砂163-46
TEL:029-265-2370
FAX:029-265-2358
敷地面積:350,000m2
従業員数:約850名
URL:www.komatsu.co.jp

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