導入事例

FARO 8-Axis Design ScanArm 2.5Cの活用で文化財の神髄を後世に伝える。リアリティを高めるカラースキャン、作業時間を大幅削減する8軸機構

FARO 8-Axis Design ScanArm 2.5Cの活用で文化財の神髄を後世に伝える。リアリティを高めるカラースキャン、作業時間を大幅削減する8軸機構

「先人の残した文化と歴史を守り、末永く後世に伝えていくためにはどうすればよいのか」――。KYOTO’S 3D STUDIO株式会社(京都市左京区、以下KYOTO’S 3D STUDIO)が導いた答えは、3Dスキャン技術を用いて取得したデータを編集、解析し、さまざまに加工することでした。KYOTO’S 3D STUDIOの業務はスキャンしたデータを、構造物や歴史的遺物の復元や確認に必要なデータへ変換することです。それらはモデリングやリバースエンジニアリング、3Dプリンティング、CADでの再現・更新、メンテナンス・修理、オーバーホール、デジタルアーカイブなど、幅広い用途に活用することができます。

KYOTO’S 3D STUDIOがデータ取得の対象とするのは世界遺産や日本の国宝、重要文化財など、まさに人類の知的財産とされるものが中心です。いずれも手で直接触れることが困難なので、データを取るためには非接触で臨むことが大前提になります。そのための有効なツールとして業務に活用しているのがFARO 8-Axis Design ScanArm 2.5CやFocus3Dなどのレーザースキャナー製品です。
 

建物だけでなく、収められた遺物も残したい

KYOTO’S 3D STUDIOがデータ取得を手がける世界遺産や国宝、文化財などは当初、神社仏閣のような建造物が中心でした。代表取締役社長の西村和也氏は「熊本地震で被災した方々が、精神的な支えにしていたのは地域の寺や神社でした。そういうものがないと、元気が出ない人もいます。ところが、早く復興しようと思っても、元の設計図やデータがないから復元が難しいんです。3Dスキャンの技術を使えば、事前にデータとして残しておけると考えたのが始まりです」と当時を思い出して述べています。

やがて、建物ばかりでなく、その中に収められている仏像やその他の遺物も残すことへの関心と要求が高まりました。西村氏によると、20年ほど前は3~4センチピッチのスキャナーで取った座標値と写真を照らし合わせてデータを残すという極めて原始的な方法が主流でした。「しかし、文化的価値が高いものには厳しい精度が求められます。その上、作業時間も限られているので処理の速さも問われます」。西村氏は業務の意義と難しさをそう明かします。

KYOTO’S 3D STUDIOが使っていた旧型のDesign ScanArmは75ミクロンの精度を誇っていたものの、取得できるデータがモノクロであったため、木目や傷などの重要部分を十分に表現することができません。実物に近い状態で見せるためには、写真からカラーデータを貼り付けるなど、データの補正や調整に少なからぬ時間と費用を要します。その点、最近導入したFARO 8-Axis Design ScanArm 2.5Cはカラースキャンが可能なので、そのままのデータを見せることができます。国宝や文化財は木目の細かさや色合いを鮮明に再現できるのが大きな強みです。

持ち出し禁止の仏像も、その場でスキャン可能

持ち出し禁止の仏像も、その場でスキャン可能。グリーンレーザーのFARO Prizmスキャナーで、仏像をカラーで再現。

目の金箔も木の質感も、カラーで再現されている

顔部分の点群データ。目の金箔も木の質感も、カラーで再現されている。
 

微妙な質感や風合いもそのまま再現

このように、カラースキャンの利点は抽出した木目や傷などを可視化できるだけでなく、仏像そのもののイメージを残したり、デジタルミュージアムとして活用したりできることです。もう一つの機能である8軸のメカニズムは作業時間を大幅に削減する一方、スキャン個数を増量するという効果をもたらしました。「カラーの良さを生かし、処理スピードも増すというのがこのシステムの強みです。結果的にお客様の喜びにもつながるからです。自分に自信がないものはお客様にも提案できません」。FARO製品に対し、西村氏はこのように評価しています。また、西村氏はFARO 8-Axis Design ScanArm 2.5Cのポータブル性にも注目します。「重要なものは簡単に持ち出せないので、その場でデータが取れるのは助かります。移動による破損など、依頼者、作業者双方のリスクが減るし、移動時間を削減できるなど、データ取りが容易になるからです」。

実際、対象物のデザインや形状だけでなく、素材の質感や風合いなどの情報までも3Dデータとして取得できるのは、リアリティを追求するKYOTO’S 3D STUDIOにとって外せない機能といえるでしょう。

KYOTO’S 3D STUDIOが本拠を京都に置いているのは、大阪や奈良を含む関西地域に歴史的な重要文化財の約70%が集まっているからです。事実、アーカイブとして残しておきたい文化財が数多くあり、国宝級の薬師如来像もスキャンしました。「FAROのシステムを使えば、微妙な材質感はもちろん、金箔を施された表面の凹凸まで忠実にしっかりと取ることができます」(西村氏)。

独自に製作した治具を使い、8軸回転テーブルにて古い茶碗をスキャン。

独自に製作した治具を使い、8軸回転テーブルにて古い茶碗をスキャン。
 

「可能性はお客様が持っている」

FAROのシステムを用いたKYOTO’S 3D STUDIOは文化財保護の観点から神社仏閣関係者も関心を寄せており、取ったデータのアーカイブ化やレプリカの作成などを通じて、盗難防止や保全に役立てようという動きがあります。発掘された茶碗などの陶磁器をスキャンする案件も増えています。「例えば、割れた埋蔵物の補修や復元をするために、今までは手で厚みを測っていました。これからはFARO 8-Axis Design ScanArm 2.5Cを使えば、簡単に寸法を測ることができます。スキャンした割れていない半分のデータから、全体をよみがえらせることも可能。特に茶碗のスキャンは数が多いので、8軸の回転テーブルを使うと迅速に対応できます」と西村氏は述べています。

KYOTO’S 3D STUDIOはスキャンという作業を主力業務として短期間のうちに成長、発展を遂げてきました。その根底には「ニーズに対してスキャンをするというよりも、スキャナーからニーズを生み出すという取り組み」があります。西村氏は「編集や動画を作成しやすい3Dデータの優位性を生かして理解を深めれば、博物館や歴史的文化財への来場を後押しする販促物としても使えるはずです。これまでの建物や庭などにとどまらず、仏像や遺物などのデータスキャンにも力を入れたいですね。世界にこの取り組みを発信していければと思い、現在、2名のインターンを受け入れ、海外進出も視野に入れています」と今後の展開に期待しています。

KYOTO’S 3D STUDIOの地道な取り組みは、文化財をはじめとする人類の知的財産に対する関心を広めることにも一役買えそうです。「後は知っていただく機会がどれだけあるかにかかっています。FAROのスキャナーができる範囲のターゲット層を見つけ、掘り下げることは新たな市場開拓にもつながるでしょう。つまり、3Dデータ活用の可能性はお客様が持っているということです。ですから『こんな使い方をしたい』といった声を聴ける場所に、どれだけ足を運べるかが勝負かなと思います」。西村氏の描くビジョンは明快です。

3D点群データを使用して、独特の世界観を表現した動画作品

3D点群データを使用して、独特の世界観を表現した動画作品。このように3Dデータは広い範囲で活用が期待できる。

 

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